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コロッケスマイル ~俺様御曹司は、庶民女王と子供たちにご執心!~
コロッケスマイル ~俺様御曹司は、庶民女王と子供たちにご執心!~
Author: さぶれ-SABURE-

スマイル1 水もしたたる俺様御曹司 01

last update Last Updated: 2025-12-22 16:05:13

「ふざけるなっ、このセクハラ野郎っ!!」

 バシャッ

 先ほどまで俺に愛想を振りまいていたイモっぽいホステス女が、目を吊り上げて怒っている。

 その彼女が、俺の顔面めがけて、水割り用のデキャンタに入った水をぶちまけたのだ。

「おっ、お前――」

 バチン!

 なにするんだよ、と言いかけた次の瞬間、左頬に痛みが走っていた。

「女をバカにしないでよね! アンタみたいな男に抱かれるなんて、たとえ1億円積まれたってお断りよ!! 男のクズっ、消えなさい!」

 ガン、とデキャンタをテーブルに叩きつけ、彼女は席を立った。

 この、最低最悪の出会いが、まさか、俺の人生を180度ひっくり返すことになるとは。

 そして目の前の彼女を、命を懸けて愛することになるとは、この時の俺は、夢にも思わなかった――

 ※

 遡ること、数時間前。

 俺は自家用リムジンに乗り込み、面倒な案件の資料をもらったところだ。

「今日は飲みに行くから、適当に車回してくれ」

 運転手にそう告げて、ホテル建設予定プランの資料に目を通す。

 ご大層な資料だな。読むのも疲れる。

 バサッ、と分厚い資料をリムジンのシートの上に放り投げ、ため息をついた。

 そういえば、ホテル建設予定地に邪魔な施設が建ってるんだっけ。頑なに立ち退きしないとか言ってたな。

 金をちらつかせれば、どんなヤツでもすぐ立ち退きするだろう。

 つまらない施設ごとき、俺がすぐ潰してやるさ。退屈しのぎには丁度いい。

 とりあえず行きつけのクラブで飲むことにして、車を銀座方面に走らせた。

 CLUB 雅-miyabi-

 ゴージャスな内装、煌びやかな光で包まれた店内。一流どころの女性が揃った店だ。

 俺の名前――櫻井王雅(さくらいおうが)の文字が入ったクラブだから、仕事の接待に利用している。ただそれだけのことだ。

 VIP席に通され、革張りのソファーに座って足を広げていると、この店のママが現れた。「これは王雅様、いらっしゃいませ」

 斜め45度の角度できっちり頭を下げ、俺に挨拶をするママを見て会釈を返す。

「今日は新しい子が入店してますの。王雅様に紹介しますね。ミューちゃんよ」

 こんばんは、と若干怯えるようにしながら挨拶してきた女がいた。

 少し大きめの瞳に、薄くて長い茶髪を巻髪にしている。年齢は俺と同じ――22、23歳くらいってとこか?

 田舎から出てきたてのような第一印象。しかもドレスが全く似合ってない。着られてるってカンジ?

 全然あか抜けていない、イモっぽい女だな。この商売初めてなんだろうな。

 おもしろそうだな。ちょっとからかってやるか。

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